父の柄本明は、唯一無二の怪演と深みのある演技で日本映画界に君臨する名優だ。そして母の角替和枝もまた、温かみのある演技で多くの作品を彩り、2018年に旅立つまで演劇界に愛され続けた。そんな両親の背中を見て育った彼女にとって、映画業界は生活そのものだったと言っても過言ではない。
なぜ演者ではなく裏方だったのか。彼女を知る関係者は「スポットライトを浴びるよりも、作品が成立していくプロセスそのものを愛しているから」と語る。芝居の面白さを知り尽くしているからこそ、演者を陰で支える作業にプライドを持っている。偉大な両親の演劇魂は、演じること以外の形でもしっかりと娘の中に受け継がれている。