キャリアの頂点として語り継がれるのが、ジャン=ポール・ラプノー監督による『シラノ・ド・ベルジュラック』だ。醜い容貌に誇り高き詩人の魂を秘めた悲劇の主人公を演じきり、カンヌ国際映画祭で男優賞を獲得、アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされるという快挙を成し遂げた。彼の演技は、文芸映画の枠組みを越えて観客の魂を揺さぶった。
胸を締めつける重厚なヒューマンドラマから、壮大なスケールで描かれる歴史劇まで、ドパルデューがスクリーンに吹き込んだ生命力は圧倒的だった。ダントン、ロダン、ジャン・ヴァルジャン——フランスの歴史と文学を象徴する偉人たちを次々と演じ分け、名実ともに国の顔となった時代が確かに存在した。