2011年後期に放送された連続テレビ小説『カーネーション』は、朝ドラ史上屈指の傑作として今なお高い評価を誇る。ヒロイン・小原糸子を演じた尾野真千子は、圧倒的な存在感と泥臭いまでのリアリティで一躍国民的トップ女優の座を不動のものにした。
その劇中で、糸子の商売敵でありながらも誰より深い理解者として描かれたのが、繊維業者・北村達雄を演じたほっしゃん。(星田英利)だった。吉本興業ホールディングスに所属し、お笑いタレントとして確固たる地位を築いていた彼が見せた怒号と色気の混ざり合う演技は、視聴者のみならず制作陣の度肝を抜いた。
関西弁での丁々発止のやり取り、言葉の奥に潜む剥き出しの人間味。二人が演じるキャラクター同士の間に漂う強烈な磁場は、台本上のフィクションを軽々と飛び越え、観る者を惹きつけてやまなかった。