「車から降ろして、ほんの数分で戻った時には姿がなかった」——父親の田野岡貴樹氏が後に警察や報道陣に明かした動機は、多くの親たちに強い衝撃と困惑を与えた。ドライブ中、人や車に石を投げるなどの悪ふざけを繰り返した息子に対し、感情の昂ぶりから車から降ろしたという短慮な行動だった。
心理分析の専門家は、育児ストレスと感情の突発的な爆発が重なった「突発的なしつけの逸脱」と指摘する。本人はすぐに引き返すつもりだったものの、深い山林での数分間は少年をパニックに陥れるには十分すぎた。ほんの一瞬の過ちが、取り返しのつかない大惨事の引き金となりかけたのである。