春の繁忙期、動物病院のバックヤードは戦場のような慌ただしさに包まれています。外来の診察室が途切れることなく稼働する裏で、医療スタッフには膨大なタスクが押し寄せています。
獣医師は、通常の体調不良や慢性疾患の継続治療に加え、膨大な数の予防接種、フィラリアの血液検査、健康診断の触診・聴診をこなします。検査結果が出れば、それぞれの飼い主に対して丁寧なインフォームドコンセントを行い、カルテへの記録と処方指示を瞬時に出さなければなりません。集中力を切らせない判断の連続が朝から夜遅くまで続きます。
同時に、現場の屋台骨を支える動物看護師の業務負荷も限界に達します。暴れてしまうペットを安全に保定する補助、採血サンプルの遠心分離と検査機器の操作、調剤、狂犬病の済票発行事務、そして待合室の案内や電話対応など、マルチタスクが絶え間なく発生します。その結果、繁忙期における動物看護師の残業は恒常化しやすく、カルテ整理や院内消毒、入院患畜の夜間ケアを終える頃には深夜近くになるケースも珍しくありません。