カメラを手にする際、彼女がレンズを通して見つめているのは、被写体の表面的な美しさだけではない。ファインダー越しに向き合う対象の「生き様」や「揺らぎ」そのものだ。
人物写真においては、過度なライティングやポージングに頼らず、被写体がふと見せる無防備な瞬間や表情の奥行きをすくい取る。撮影現場では巧みな会話と独特の空気感で相手の緊張を解きほぐし、素の表情を引き出していく。演者としてカメラの前に立ち続けてきたからこそ解る「撮られる側の心理」を熟知している点が、写真家としての強いアドバンテージとなっている。