華やかで目立つ様子を指す言葉が「派手」であるならば、その対極に位置する言葉は一つに限らない。相手の装いを褒めたい時、ビジネス文書で謹直な姿勢を示したい時、あるいは空間の佇まいを語る時。「地味」という単語には、時に「冴えない」「パッとしない」といったネガティブな響きがつきまとうため、そのまま使うと予期せぬ誤解を生む恐れがある。
たとえば、無駄を削ぎ落とした静かな上質さを表現したいなら「シック」や「控えめ」、生活態度や経営姿勢の質実さを表すなら「質素」や「質実」がしっくりくる。ビジネスマナーの観点からも、相手の好意的な意図を汲み取った言い換えは必須だ。「地味な衣装」ではなく「落ち着いた色合いの装い」、「地味な資料」ではなく「実用的で簡潔な書面」と表現を変えるだけで、受け手に与える第一印象は劇的に変わる。言葉の引き出しの多さは、ビジネスの現場における強力な武器になる。