大きな期待を背負ってプロの門を叩いた川口知哉を待ち受けていたのは、プロの厚い壁とフォームの狂いでした。プロ入り直後から投球フォームの改造に着手したものの、本来の腕の振りとダイナミックさが失われ、次第にストライクゾーンへボールを投げ込めなくなる深刻なイップス(投球恐怖・制球難)を発症してしまいます。
練習では投げられても、ひとたびバッターが打席に立つと腕が縮こまる悪循環。かつて自信に満ち溢れていた左腕は、マウンド上で孤独な闘いを強いられることになりました。1軍公式戦での通算成績は以下の通り、本来の才能を考えればあまりにも過酷な数字となって残っています。
【川口知哉 NPB通算成績】
・登板試合数:9試合
・勝敗:0勝1敗0セーブ
・投球回数:15回
・奪三振:10
・与四死球:26
・防御率:14.40
入団から7年間、懸命にもがき続けたものの本来の輝きを取り戻すことは叶わず、2004年秋に戦力外通告を受け、25歳という若さでNPBの舞台を去ることとなりました。