有色人種の女性キャラクターとして初めてディズニー・プリンセスのラインナップに加わった意義は、決して小さくはない。多様なルーツを持つ子供たちにとって、スクリーンの中心で躍動する有色人種ヒロインの存在は、当時のエンターテインメント界において画期的な一歩であった。
だが、その先進性と裏腹に、ハリウッド映画産業が長年抱えてきた「マジョリティ主導による異文化の消費」という構造的欠陥が顕著に現れたケースとも言える。当事者である先住民族の声を製作プロセスに十分に反映させず、商業的なエンターテインメントとして消費しやすい形に再構築した姿勢は、その後の映画製作における当事者性(レプリゼンテーション)の重要性を議論するうえで極めて重要な教訓となった。