ぶどうの飾り切りにおいて最も重要な生命線、それは道具の選び方と刃の入れ方だ。大きな出刃包丁や万能包丁では細かなカーブを表現しづらく、果汁を無駄に絞り出してしまう原因になる。プロが推奨するのは、刃先が利く小回りの利いたペティナイフだ。
失敗を防ぐ最大のコツは、刃を果肉に対して斜め45度に寝かせ、押し切るのではなく滑らせるように引き切りすること。皮に浅くV字の切れ込みを入れる「矢羽根切り」や、中央周りにギザギザの切り込みを入れる「クラウンカット」も、刃先3ミリだけを使う意識を持てば皮が破れず幾何学的に美しいエッジが立ち上がる。切った直後に冷水へ数秒くぐらせることで、果肉の瑞々しさとエッジの立体感が格段に長持ちする。