彼のスタイルや背丈の印象を語るうえで欠かせないのが、共演者との並びだ。特に李相日監督の映画『怒り』で濃密な共演を果たした綾野剛との立ち姿は、公開当時から大きな話題を集めた。
綾野剛の公称身長は180cmとされており、171cmの妻夫木聡との間には約9cmの身長差が存在する。劇中や宣伝イベントで二人が並んだ際、確かに身長差ははっきりと認識できる。しかし、不思議なことに妻夫木聡の存在感が霞むことは一切なかった。役に完璧に没入し、重心を低く構えた佇まいや、指先まで神経を行き渡らせた所作が、数値上の差を完全に超越した独特の雰囲気を醸し出していたからだ。
他の高身長キャストとの共演時においても、彼は自らを無理に大きく見せようとしない。ありのままの骨格を生かし、作品世界の登場人物として自然体でそこに存在する。この自然体こそが、スクリーン上で共演者と調和しつつも強い印象を残す秘密だ。