現塾長である伊藤公平氏は、就任以来、学術研究の国際化や財務構造の抜本的改革など、矢継ぎ早に強気の一手を打ってきた。国際的な大学ランキングでの存在感向上を目指し、研究環境の整備や学費体系の見直しを図る伊藤体制に対し、学内からは賛否両論の声が上がっている。こうした状況下で実施された今回の改選は、伊藤改革に対する実質的な「信任投票」の意味合いも帯びていた。
少子化に伴う18歳人口の減少、世界的な物価高騰、そして優秀な研究者の国外流出など、高等教育・大学経営業界が直面する課題は深刻さを増す一方だ。慶應義塾が生き残りをかけて進める構造改革は、日本の私立大学全体にとっての先例となる。新陣容となった評議員会が、伊藤塾長の推進する革新路線を後押しするのか、あるいはブレーキ役として機能するのか、その決定は大学経営の未来を大きく左右する。