「金農」の強さの裏には、農業高校ならではの過酷な日常と独自の身体作りが存在する。リンゴの摘果実習、豚の飼育、そして広大な農場での農作業。これらは一見、野球とは無関係に思えるが、実は強靭な下半身と粘り強い精神力を養う最高のトレーニングとなっていた。
冬場、雪に覆われる秋田の厳しい気候の中、室内練習場や雪上での基礎トレーニングをひたすら繰り返す。泥にまみれ、命の恵みと向き合う日々が、土壇場での諦めない腰の強さを育む。理学療法や最新マシーンを導入したトレーニングも効果的だが、毎日土を耕し、重い荷物を運び、命を育てる実体験から得られる「本物の体力」は、試合終盤の極限状態において強烈な威力を発揮する。グラウンドの土と農園の土。二つの土に鍛えられた球児たちの肉体は、文字通り「雑草」のように逞しい。