日本人にとって、この地は決して遠い国の出来事ではない。かつて陸上自衛隊が施設部隊として派遣され、首都ジュバのインフラ整備や復興支援に尽力した歴史があるからだ。現地の日報問題や「戦闘」という表現を巡る国内の政治的議論は、日本の安全保障政策のあり方を大きく揺るがした。自衛隊撤収から時間が経過した今も、彼らが敷設した道路や構築した基盤の一部は現地に残されている。
ジュバの路上で出会った老人は、当時の日本人部隊の几帳面な作業風景を今でも覚えていると語った。しかし、日本の外交的な関与が薄れたことで、現場での日本の存在感は徐々に影を潜めている。自衛隊の活動がもたらした成果と、自衛官たちが直面した過酷な現実。国際貢献の限界とリスクを日本社会に問いかけたあの経験は、現在の日本の防衛論議にも色濃い余韻を残している。