本作『境界線の向こう側』でノブが演じたのは、地方都市でひっそりと暮らす孤独な男。セリフは極端に少なく、表情と佇まいだけで物語を引っ張っていく難役だ。普段のテレビで見せるハイトーンなツッコミ声は一切封印されている。
カンヌのスクリーンに映し出されたのは、ただ静かに絶望を受け入れる男の背中だった。フランスの主要紙「ル・モンド」は、「言葉に頼らない彼の沈黙は、雄弁なセリフよりも深く観客の胸に突き刺さる。日本のお笑い界がこれほどの怪物を隠し持っていたとは」と大絶賛。これまでのイメージを覆す演技力に、世界中のバイヤーからも問い合わせが殺到しているという。