事故車両として広く親しまれているトゥクトゥクは、前輪が1輪、後輪が2輪という独特の三輪構造を持っている。小回りが利く反面、急ハンドルや急ブレーキ操作を行った際の横転リスクが極めて高い。
特に急勾配の坂道や下り坂のカーブでは、重心の位置が前方に著しく移動する。この状態で少しでもハンドル操作を誤れば、容易に片輪が浮き上がり横転に至る。熱海の地形特有である「連続する急坂」と「三輪構造の不安定さ」という悪条件が最悪の形で噛み合ってしまった格好だ。
さらに、現行の道路交通法における位置づけも問題を複雑にしている。トゥクトゥクは普通自動車免許で運転が可能であるため、三輪特有の挙動や重心操作に慣れていない一般的なドライバーが気軽にハンドルを握れてしまうという実態が存在する。この「操作性の特殊性と運転資格のギャップ」が、潜在的な危険性を高めていたことは否めない。