「唐揚げに半分だけ搾った」「紅茶に1枚入れただけで残ってしまった」というシチュエーションは、家庭で最もレモンを持て余す瞬間です。使いかけレモンの冷蔵保存を行う場合、カットした断面が空気に触れた瞬間からポリフェノールやビタミンCの酸化が始まり、水分蒸発によって果実のつぶつぶ(砂嚢)が急速にパサついていきます。
冷蔵室で2〜3日延命させるなら、切り口にぴったりと密着させるようにラップを貼り付け、さらにジッパー付き保存袋に入れてチルド室または野菜室へ収めます。しかし、数日中に使い切る見込みがない場合は、迷わずその日のうちに包丁を入れ、冷凍ストックに切り替えるのがプロの流儀です。
美しさと使い勝手を極限まで高めるのが、レモン輪切り冷凍テクニックです。厚さ3〜5ミリ程度にスライスしたレモンを、金属製バットの上に敷いたラップに「重ならないよう」並べます。その上からさらにラップをふんわり掛け、冷凍庫の急速冷凍スペースへ投入します。完全にカチカチに凍った段階(約2〜3時間後)でバットから剥がし、フリーザーバッグにまとめて移し替えれば、レモン同士が氷でくっついて塊になる「冷凍事故」を完全に防ぐことができます。
一方、揚げ物や焼き魚に添えるならレモンくし形切り保存のコツが役立ちます。くし形(ウェッジカット)に切ったレモンは、果汁が溜まる皮と果肉の境目からドリップが出やすいため、1切れずつ個別にラップでキャンディのようにキュッと包んでから保存袋へ入れます。使う際は完全解凍してしまうと果肉の細胞膜が破壊されて汁が流れ出し、ベチャベチャになってしまうため、「凍ったままの状態で料理に添える」か「グラスに氷代わりとして投入する」のが最もスマートな楽しみ方です。