寿命の延伸という華々しい成果の裏で、専門家たちが危惧しているのが「健康寿命」との隔たりだ。日常生活に制限がない状態で過ごせる期間と全体の寿命との間には、依然として10年前後のギャップが存在する。この期間の延伸は、晩年のQOL(生活の質)を大きく左右する切実な問題だ。
こうした構造的変化に対し、ヘルスケア・予防医療産業は新たなビジネスモデルの構築を急いでいる。フレイル(加齢による身心の衰え)予防プログラムや認知機能維持を目指す新技術の開発が加速する一方、生命保険業界も終身医療保障の見直しや予防インセンティブ型商品の展開を急速に進めている。