アコースティックギターを購入した初心者の約7割が、最初の1か月以内に「バレーコード(人差し指で全弦を押さえるフォーム)」の壁にぶつかって挫折すると言われています。その代表格が「Fコード」や「Bmコード」です。しかし、テツandトモの「なんでだろう」のコード進行を分析すると、初心者がつまずく要素が見事なまでに排除されている事実が浮き彫りになります。
原曲のキーは「Em(ホ短調)」です。メインとなるサビ(「なんでだろ〜 なんでだろ〜」のパート)の基本構成は、驚くべきことに以下の3つのコードの循環のみで成り立っています。
【基本コード進行(原曲キー:Em)】
| Em | Am | B7 | Em |
この3コードだけで全体の80%以上を伴奏できます。使われているコードの押さえ方を確認すると、初心者にとっての難易度が極めて低い理由が論理的に理解できます。
- Em(イー・マイナー):中指と薬指の2本だけで5弦2フレットと4弦2フレットを押さえるのみ。ギターの全コード中、最も簡単に鳴らせる基本中の基本です。
- Am(エー・マイナー):人差し指、中指、薬指の3本を使用しますが、フレットの開きが狭く、指の力が弱い方でも無理なく綺麗な和音を響かせられます。
- B7(ビー・セブン):初心者が唯一少し手こずる可能性があるコードですが、人差し指から小指までを階段状に配置するオープンコードであり、全弦をセーハする必要はありません。
どうしても小指を使ったB7が押さえにくい場合は、1弦の小指を省略して開放弦にする「簡単コード」フォームでも十分にニュアンスを再現できます。左手のフォーム移動がわずか数センチの範囲で完結するため、視線を指先から外しても演奏が破綻しにくいという、大道芸・ステージパフォーマンスならではの機能美が宿っています。