2019年8月の結成当初、ふたりが初めてリンクで手を取り合ったトライアウトの瞬間、木原選手は「滑り出した瞬間、これまで感じたことのないスピード感とフィット感があった」と証言し、三浦選手も「無理に合わせようとしなくても自然と呼吸が合った」と語っています。この「奇跡の相性」を世界トップレベルの技術へ昇華させたのが、カナダ・オンタリオ州オークビルにある「スケート・オークビル」での練習環境です。
名伯楽として名高いブルーノ・マルコット・コーチは、単に技の難易度を上げるだけでなく、ふたりのコミュニケーション様式そのものを徹底的に指導しました。氷上でミスが発生した際、互いに責任を押し付け合うのではなく、客観的な動作のズレとして冷静に言語化するトレーニングを重ねたのです。
さらに、異国の地でともに生活し、練習以外の時間も共有する中で、木原選手の深い包容力と三浦選手の物怖じしないポジティブなメンタリティが融合しました。「お互いがミスをしても絶対に責めない」という絶対的な心理的安定空間が、大舞台での驚異的なシンクロ率を生み出しています。