北欧の暮らしを語る上で欠かせないのが、近代建築とデザインの巨匠アルヴァ・アアルトの存在だ。彼が遺した「自然素材への敬意」と「人間工学に基づいた機能美」は、今も現地のインテリア・プロダクトデザイン産業の根底に力強く脈打っている。
単に部屋を飾るための道具ではなく、使う人の心身をそっと労わり、世代を超えて受け継がれていくプロダクト。森百合子氏の取材は、そうした伝統を守る職人たちの手仕事や環境負荷を抑えるモノづくりの現現場に光を当て、現代の日本人が見失いがちな「道具と長く付き合う愛着」を思い出させてくれる。