この建築の真骨頂は、官民の機能が密接に組み合わさった複合構造にある。低層階から中層階にかけては、山形県産業科学館や県パスポートセンター、国際交流プラザなどの公的機関がズラリと並ぶ。学びの場であり、行政サービスをワンストップで受けられる利便性は、市民の日常に深く根付いている。
一方で、高層階にはホテルが入り、館内には多彩な飲食店やショップ、医療クリニックまで揃う。天候に左右されずに多様な目的を一度に果たせる構造は、厳しい冬の寒さや大雪に見舞われる山形の気候において圧倒的な強みを発揮する。生活空間と観光機能が自然な形で溶け合う設計思想は、全国の地方都市におけるモデルケースとしても注目を集め続けている。