日本国内にとどまらず、北米や欧州の文学界・コミック界において、彼女へのリスペクトは近年急速に高まりを見せている。かつて「少女漫画」という言葉に貼られていた「若年女性向けの娯楽」というステレオタイプなレッテルを、彼女は作品の圧倒的な質そのもので粉砕してみせた。
詩的でありながら冷徹な視線、登場人物の微細な心理の揺らぎをコマ割りの隙間に潜ませる独特の演出手法。これらは単なる漫画の技法を超え、純文学や映画と同等、あるいはそれ以上の芸術的価値を持つものとして評価されている。パリやニューヨークの主要書店で彼女の翻訳本が特設コーナーに並ぶ光景は、もはや日常の一コマとなった。