彼女のキャリアを語る上で外せないのが、映画史に残る傑作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』だ。丸刈り頭で強靭な志を持つフュリオサ大隊長を演じ切り、世界の批評家を唸らせた。しかし、過酷なアフリカの砂漠で行われた撮影の舞台裏は、極限状態の連続だったという。
共演したトム・ハーディとの間には、撮影手法や役に挑むアプローチの違いから激しい緊張感が漂っていた。過酷な環境と徹底したリアリズムを追求する現場で、二人のエネルギーがぶつかり合ったことは有名だ。だが、その一触即発の緊迫感こそが、スクリーン上で狂気と情熱が交錯する圧倒的な名演を生み出した要因でもあった。後年、双方がお互いのプロフェッショナリズムを認め合い、敬意を称し合っている点も味わい深い。