神戸神奈川アイクリニックの経営難を決定づけたのは、日本国内におけるレーシック手術件数の激減です。2000年代半ばから後半にかけて年間40万〜50万件規模にまで膨れ上がった国内市場は、わずか数年で10分の1以下にまで落ち込みました。
市場崩壊の最大の引き金となったのは、2008年から2009年にかけて発生した他院(銀座眼科)による集団角膜感染症事件でした。衛生管理の不備から多数の重篤な眼障害被害を出したこの事件を契機に、大手メディアによるネガティブキャンペーンが過熱し、消費者庁や日本眼科学会も相次いで注意喚起を行いました。
この結果、一般消費者の間で「レーシック=危険な手術」という強い警戒感が定着します。さらに、ネット上の評判や口コミでも「術後のドライアイ」「ハログレア現象」「過矯正による眼精疲労」といった後遺症リスクがクローズアップされ、新規受診者が激減しました。近年では目の中にレンズを挿入するICL(有水晶体義眼内レンズ)など可逆的な新しい屈折矯正手術へ消費者の関心がシフトしたことも、旧来型のレーシック特化型クリニックにとって致命的な打撃となりました。