こうした感情の解明が進むにつれ、産業界のアプローチも大きく変わりつつある。かつて年収や学歴、性格テストなどの条件マッチングを重視していた婚活・ブライダル業界では、対面時の匂いや空気感、生理的な相性を早期に見極める体験型マッチングへのシフトが進む。プロのカウンセラーが「理屈で割り切れない違和感があるなら、無理に交際を続ける必要はない」とアドバイスするケースも一般的になった。
同時に、メンタルヘルス産業においても変化が生じている。「生理的に受け入れられない相手と関わり続けて適応障害に陥った」「罪悪感で自分を責めてしまう」という相談者が増えたためだ。専門外来やカウンセリングでは、相手に対する嫌悪感と自己の倫理観を切り離し、自身の直感を肯定的な危機管理能力として受け入れるための心理的サポートが重視されている。