一方で、組織マネジメントやプロジェクト推進において「神は細部に宿る」を免罪符にした弊害が生じるケースも後を絶ちません。最も警戒すべきは、リーダーが些細なフォーマットの体裁や好みの問題に固執し、メンバーの自律性を奪う「毒性の高いマイクロマネジメント」へと変質してしまうパターンです。
社会心理学や組織行動論の観点から見ると、細部への過度な執着は「認知の局所化(局所最適の罠)」を引き起こします。事業全体の戦略(マクロ)が間違っているにもかかわらず、手元のスライドの装飾や文言の微修正(ミクロ)に膨大な工数を浪費してしまう状態です。
対義語・反対語に挙げられる「大所高所」や「木を見て森を見ず」という視点を失えば、細部へのこだわりは単なる「完璧主義の自己満足」に成り下がります。全体像の設計が完了した上で初めて、細部の追求が価値を生むという順序関係を履き違えてはなりません。