映画界での成功と並行して、テレビドラマの世界でも彼は巨大な足跡を残している。特に1979年のNHK大河ドラマ『草燃える』で演じた源頼朝役は、今なお時代劇ファンの間で語り草となっている名演だ。
武家政権を打ち立てる冷徹な政治家としての孤独、血塗られた権力闘争の中で冷酷な決断を下し続ける男の冷たい炎。若き日の彼が持つ知的な怜悧さが、頼朝という複雑怪奇な人物像に見事な説得力を与えた。感情を高ぶらせることなく、低く落ち着いた美声で家臣を震え上がらせる演技は、従来の英雄的な武将像を完全に覆した。現在でもNHKオンデマンドなどでその名演を確かめることができるが、画面越しに伝わる静かな狂気と妖艶な美しさは圧巻の一言に尽きる。