矢野恵司の仕事は純粋芸術の領域にとどまらない。商業広告の分野でも高い評価を得ている。資生堂のプロモーションDM、三井リハウスの広告イラスト。これらは単なる販促物ではなく、それ自体が一つの作品として成立している。
広告業界では、クライアントの意図を正確に汲み取りながら、同時にクリエイターとしての個性を発揮することが求められる。このバランス感覚は、任天堂時代に培われたものだ。組織の中で働いた経験が、矢野をより優れたフリーランスにした。
資生堂という歴史ある化粧品ブランドは、常に美と芸術の最前線にいる企業だ。彼らが矢野を選んだという事実は、矢野の美意識が商業的価値と芸術的価値の両方を満たしていることの証明である。