顎下のふくらみやもたつきに悩む際、絶対に看過してはならないのが病理的な異変です。すべてを「太った」「たるんだ」と自己判断して無理なマッサージを続けると、病状を悪化させる危険性があります。特に注意すべきなのが、顎下のしこりリンパ腫れ理由の正確な鑑別です。
顎の下にはオトガイ下リンパ節や顎下リンパ節、さらには唾液を分泌する顎下腺が配置されています。これらが腫大する主な要因には以下のパターンが存在します。
- 急性リンパ節炎・感染症:風邪、咽頭炎、虫歯や歯周病の悪化に伴い、細菌やウイルスと戦うためにリンパ節が一時的に腫れ上がります。圧痛(触ると痛む)を伴い、炎症が治まると数日から数週間で縮小するのが特徴です。
- 唾液腺疾患(顎下腺炎・唾石症):唾液の通り道に結石(唾石)が詰まり、食事のたびに顎下がパンパンに腫れて強い痛みを引き起こす病態です。食事が終わると徐々に腫れが引く現象を繰り返す場合はこの疾患が強く疑われます。
- 粉瘤(アテローム)や類皮嚢胞:皮膚の下に袋状の組織ができ、老廃物や皮脂が蓄積する良性腫瘍です。徐々に大きくなり、細菌感染を起こすと赤く腫れて激痛を伴います。
- 悪性リンパ腫・腫瘍性病変:痛みが全くなく、触ると骨のように硬く、指で押しても動かないしこりが2〜3週間以上かけて徐々に増大している場合、悪性腫瘍やリンパ系の重大な疾患が潜んでいる可能性があります。
「触ると明らかにコリコリとした硬いしこりがある」「左右で腫れ方に明確な差がある」「熱を帯びている」「痛みを伴う」といった症状が認められる場合は、美容ケアやマッサージを直ちに中止し、耳鼻咽喉科や頭頸部外科、口腔外科などの医療機関を速やかに受診してください。