ホバークラフトは正式にはエアクッション艇(ACV: Air Cushion Vehicle)と呼ばれ、浮上と推進という2つの独立した空気の力を組み合わせて動いています。この基本的なホバークラフトの仕組みを理解すると、機体のセッティングやトラブルシューティングが格段に面白くなります。
車体の浮力を生み出しているのが、リフトファンによって送り込まれる大量の空気です。取り込まれた空気は艇体の底部に送り込まれ、外周を取り囲むホバークラフトのスカート構造によって外への流出を適度に制限されます。スカート内部の空気圧が高まることで車体が数ミリから数センチ浮上し、地面との接触がゼロになります。この状態で後方のスラストファン(推進用プロペラ)を回し、ラダーで風向きを変えることで、前後進や左右への旋回を行います。
特にスカートの素材と形状は走行性能を左右する心臓部です。耐摩耗性に優れたナイロンリップストップや柔軟なシリコン素材が使われ、障害物をしなやかに乗り越えつつ、水上走行時にはしっかりと空気の層をキープする密閉性が求められます。