世界的な大ヒットを記録したNetflixの台湾ドラマ『華燈初上』は、1980年代の台北・林森北路に実在した日式クラブの世界をロマンチックかつドラマチックに描き出した。日本のビジネスマンをもてなす艶やかなホステスたちの愛憎劇は、多くの視聴者を魅了し、当時のナイトライフ文化に対する関心を急速に高めた。
だが、フィクションとして消費されるノスタルジーと、現実の性風俗産業の間には決定的な断層が存在する。ドラマが光を当てた洗練された社交場としての「日式スナック」の影で、法的な保護を受けられない女性たちが過酷な労働条件や搾取に晒されてきた歴史がある。華やかな衣装やカクテルグラスの向こう側に隠された現実は、ドラマのロマンティシズムとは対極にある過酷な生存競争そのものだ。