「特別休暇を取得したら、給与明細で欠勤控除されていて手取りが激減した」という声が、大手掲示板やSNSでは定期的に噴き出しています。法的な真実を明かすと、労働基準法上、特別休暇を有給にしなければならない義務は一切存在しません。
賃金支払いの根底には「ノーワーク・ノーペイの原則(働いていない時間に対して会社は賃金を支払う義務がない)」があります。年次有給休暇はこの原則に対する法的な例外措置ですが、特別休暇にはその制約が及びません。したがって、慶弔休暇であろうとリフレッシュ休暇であろうと、会社が就業規則に「無給とする」と定めていれば、1日休むごとに基本給から日割り計算で控除されても法律上完全に適法です。
ここで極めて重要になるのが、特別休暇の給与計算に関する就業規則の文言です。有給とする場合であっても、会社がどのような計算式を採用しているかによって支給額は変動します。具体的には以下の3つのパターンが存在します。
- 通常の労働時間を労働した場合に支払われる通常の賃金:最も一般的であり、通常の出勤日と同じ基本給や各種手当が満額支給されます。
- 平均賃金:過去3カ月間の賃金総額を暦日数で割った金額(労働基準法第12条の計算式)が支払われます。通常賃金よりも低くなるケースが大半です。
- 健康保険法上の標準報酬日額に相当する額:就業規則に明確な規定がある場合に用いられる特殊な計算方式です。
さらに見落としがちなのが病気休暇の給与です。病気休暇を設けている企業であっても、その約7割近くは無給に設定しています。無給の場合、連続して3日休んだ後の4日目以降から健康保険の「傷病手当金(標準報酬日額の約3分の2)」を申請する運用が一般的です。もし会社が病気休暇を有給にしている場合、傷病手当金の受給額から給与分が減額調整される、あるいは全額支給停止となる点には十分な注意が必要です。