従来の「准教授」と「特定准教授」を分かつ最大の溝は、雇用の安定性と資金源の性質にある。一般の専任准教授が大学本体の基幹予算から給与を支払われ、原則として定年まで身分が保証される(あるいはテニュアトラックを経て無期雇用へ移行する)のに対し、特定准教授は外部から獲得した研究資金や特定の受託事業の予算に直接依存して設置される。そのため、契約期間があらかじめ数年単位で区切られているケースがほぼ大半だ。
文部科学省が推し進める大学改革の波を受け、全国の高等教育・学術研究機関は自前の財政を補強すべく特定教員の採用枠を拡大してきた。各大学が改定を進める「大学人事・雇用制度」の要項を見ても明らかな通り、特定准教授は「特定プロジェクトを遂行する卓越した専門人材」として重用される一方で、プロジェクトの終了がそのまま雇い止めを意味するという構造的なリスクを背負わされている。大学教員としての肩書を持ちながらも、身分の保証においては薄氷を踏む思いを強いられているのが実態だ。