百福の根幹を支えているのは、何と言っても妥協を許さない出汁の設計です。ベースとなるのは、香川県伊吹島産の厳選された白口煮干し(いりこ)。これに北海道産の真昆布や上質な混合節(宗田節・鯖節・鰹節)を精密な温度管理のもとで合わせ、雑味を極限まで削ぎ落とした澄み渡る出汁を抽出しています。
化学調味料に頼らず、素材本来のイノシン酸とグルタミン酸の相乗効果を引き出したスープは、ひと口含むだけで力強い旨味がじんわりと身体に染み渡ります。かえし(醤油ダレ)の塩味は角が取れており、出汁本来の芳醇なアロマを邪魔しません。
そして、その極上出汁を受け止めるのが、毎朝店内の製麺室で粉から打ち上げられる自家製手打ち麺です。小麦粉の配合、加水率、塩分濃度、熟成時間はその日の気温や湿度に合わせて微調整されます。しっかりとエッジが立った麺肌は滑らかでありながら、噛み締めると芯から力強いグミのような弾力が弾けます。単に硬いだけの「剛麺」とは異なり、しなやかさと粘り腰を両立させた麺線は、まさに職人技の結晶です。