くろしおの旅は、単なる移動時間ではない。車窓を流れる景色のドラマチックな変化こそが、この路線の本質だ。特に注目すべき絶景ポイントが3つある。
1つ目は、和歌山駅を過ぎてしばらく進み、由良町付近から岩代・切目にかけて至る海岸線区間。ここでは線路が海岸線のすぐ際を通るため、まるで海の上を走っているかのような錯覚に陥る。
2つ目は、周参見(すさみ)から串本にかけての雄大な太平洋。黒潮が直接ぶつかる黒潮躍る荒波と、入り組んだリアス式海岸の造形美は圧巻だ。
そして3つ目が、串本駅を過ぎたあたりで見えてくる名勝「橋杭岩(はしぐいいわ)」を遠望するエリア。列車が一瞬見せる紀伊半島のダイナミックな素顔に、誰もが思わず息をのむはずだ。