第13話のハイライトは、中盤のバルカ国境付近における緊張感あふれる取引シーンだ。乃木が相手の密売組織に引き渡した暗号データ。一見すると別班の作戦失敗に見えるこの展開だが、スロー映像で確認すると乃木の視線は銃口ではなく、背後の鏡に映る黒須(桃李)の影を一瞬だけ捉えていた。
これはかつてシーズン1でみせた「重さを一瞬で見抜く」特異体質と同様の、乃木独特の合図だ。彼が土壇場で見せたあのわずかな揺らぎこそ、敵を欺くための高度な「芝居」であった可能性が高い。別班の任務は常に命がけだが、今回の作戦にはこれまで以上に深い私情と国家防衛のジレンマが交錯している。