『名探偵コナン 漆黒の追跡者』の魅力を語る上で欠かせないのが、劇伴音楽を手がけた大野克夫サウンドとの連動性です。本作では、シリーズおなじみの「名探偵コナン メイン・テーマ」も重厚なギターリフと緊迫したストリングスが強調された「漆黒バージョン」としてアレンジされました。
劇中において独立した歌唱入り挿入歌は配置されていませんが、劇伴全体が「黒ずくめの組織」の冷酷さを表現するダークトーンで統一されています。タワー頂上での死闘が終結し、コナンの息遣いと朝焼けが広がるシーンから、間髪を入れずに「PUZZLE」のイントロへと接続する構成は、劇場の音響設計として極めて完成度の高い演出でした。
重苦しいサスペンスの緊張を一気に解き放ちながらも、完全なハッピーエンドではない「組織との戦いはまだ続く」というビターな余韻を残す役割を、この主題歌が見事に果たしています。