無水鍋を導入した多くの人が口を揃える最大の魅力は、無水鍋を買ってよかった理由の筆頭でもある「圧倒的な味の凝縮感」です。密閉性の高い構造により、加熱によって食材から出た蒸気が外へ逃げず、鍋の中で循環して旨味エキスへと変化します。さらに、水で薄めずに調理するため、水溶性ビタミン(ビタミンCやB群)やカリウムなどの栄養素が流れ出にくいという栄養素面での大きなメリットも、健康管理を意識する層に選ばれる決定打となっています。
しかし、こうした絶賛の声の裏で、無水鍋のデメリットと後悔を感じる人が一定数存在するのも事実です。購入後に挫折してしまうユーザーの行動パターンを分析すると、主に3つの共通点が浮かび上がります。
第1に「本体の重量とメンテナンスの手間」です。本格的な鋳物ホーロー鍋は、フタを含めると3kg〜5kgを超える重量になるものが大半です。「洗うのが億劫」「片付けるのが大変」と感じてしまい、次第に出番が減ってしまうケースが目立ちます。第2に「火加減の誤解」です。無水調理は極弱火から弱火でじっくり加熱するのが基本ですが、一般的な鍋と同じ感覚で中火〜強火にかけてしまい、底を激しく焦げ付かせて扱いづらさを感じる人が後を絶ちません。第3に「時短器具であるという勘違い」です。食材の水分を引き出すには一定の時間が必要となるため、短時間で手早く作りたいシーンには不向きな側面を持っています。