過密した都市部を洪水から守る要が、大深度地下に整備された「神田川・環状七号線地下調節池事業」だ。環状7号線の地下約40メートルに横たわる全長4.5キロメートルの巨大なトンネル構造物は、善福寺川や神田川の溢れ出た洪水を一時的に貯留する能力を持つ。
東京都建設局の発表によると、今回の上昇水位を受けて取水施設は即座に流入運転を開始した。河川工学・都市治水の専門家は「地下調節池の稼働は下流の浸水被害を食い止める極めて有力な手段だが、施設にも容量制限がある。ハードウェア頼みにならず、ソフト面での早期避難が不可欠だ」と指摘する。現代の都市型水害対策は、インフラと迅速な市民行動が揃って初めて機能する。