星野源の音楽的ルーツを辿ると、彼が敬愛してやまない細野晴臣の影響が色濃く見える。エキゾチカやオリエンタリズム、東洋思想を取り入れた細野の音楽世界から、星野は多大な影響を受けた。代表アルバム『POP VIRUS』に象徴されるように、彼は生死観や人間の孤独、愛といった深遠なテーマを、軽快で洗練されたJ-POPのポップスへと昇華させている。
『POP VIRUS』の楽曲群やライブパフォーマンスは、まるで「目に見えない愛や人間愛の感染」を描いた現代の救済劇のようにも映る。これが一部の聴き手に宗教的な神聖さや救いを感じさせた側面は否定できない。Spotifyでの世界的なストリーミング配信や、Netflixで配信されたライブ映像・ドキュメンタリーを通じて、彼の音楽思想は言語や国境を超えて世界中に浸透した。しかし、それは宗教的ドグマではなく、エンターテインメント業界のトップを走るクリエイターが生み出した純粋な芸術的共鳴にほかならない。