海岸沿いに立つと、初夏から冬にかけて定期的に夜空が弾ける熱海市特有の熱気を感じる。熱海海上花火大会は、春・夏・秋・冬と年間十数回にわたり熱海港の防波堤から打ち上げられる。熱海サンビーチの砂浜に腰を下ろせば、視界いっぱいに広がるパノラマと、打ち上げ場所からの近さに誰もが息を呑む。
なかでも熱海温泉ホテル旅館協同組合の加盟宿に宿泊した者だけが購入できる専用観覧エリアや、一般販売される有料席のプレミアム感は格別だ。砂浜や堤防に設けられた特別席は、一般自由エリアの熾烈な場所取り競争から解放される唯一のシェルターといえる。打ち上げ直前に悠々と着席し、頭上から降り注ぐ火の粉を全身で浴びるようなベストビューは、一度味わうと後戻りできない。