藝高の最大の特徴は、1学年1クラス・定員約40名という少人数教育にあります。3年間クラス替えがなく、ピアノ、弦楽器、管打楽器、邦楽、作曲など、多岐にわたる専攻の生徒が同じ教室で過ごします。
この環境が生み出す藝高校風と人間関係は、極めて独特です。一般的な高校のような部活動やグループ行動に依存するカルチャーは薄く、放課後は各自が練習室やレッスンへ直行する「職人の集まり」に近い雰囲気が漂います。他人に過度な干渉をしない自立した生徒が多い一方で、一度関係がこじれるとクラス替えがないため、物理的な距離を置きにくいという構造的な難しさを抱えています。
専攻によっては同学年に自分1人、あるいは2〜3人しかいないケースもあり、アンサンブルや演奏会の選抜をめぐって切磋琢磨する過程で、実力差への嫉妬やプレッシャーによるすれ違いが生じることは珍しくありません。