こうした調理体験の変化を支えているのが、目覚ましい進化を遂げる調理家電業界の技術力だ。特に熱風を効率よく対流させる機能を備えたコンベクションオーブンは、家庭用調理器具の概念を大きく塗り替えた。
熱風を強力に循環させることで、食材自体の持つ油脂分を利用して表面をカリッと焼き上げるノンフライ調理の性能は、ここ数年で飛躍的に向上した。たとえばパナソニック株式会社をはじめとする大手家電メーカーは、庫内温度の精密制御やセンシング技術を極限まで高めたモデルを相次いで投入。スチーム機能とのハイブリッド制御により、肉内部の水分蒸発を抑えつつ、外側だけを香ばしく仕上げる技術を標準搭載するようになった。
家電量販店の店頭でも、従来の電子レンジ単体機からの買い替え需要として、高機能オーブンの売り上げが好調だ。単なる「温め直し」の道具から「本格的な調理器」への脱皮が、家庭での自炊の幅を劇的に広げている。