歴史的な転換点となったのが、2014年のソチオリンピックだ。日本フィギュアスケート界の悲願であった金メダルを獲得した羽生と、怪我と戦いながら渾身の演技を披露し6位入賞を果たした高橋。この夢の舞台で、二人の立ち位置は決定的なものとなった。
表彰式後のミックスゾーンや公式会見で、高橋は弟分の快挙を心から称えた。一方の羽生も、先人が作った道があったからこそ今の自分があると、リスペクトの言葉を惜しまなかった。頂点に立った者と、時代を牽引し終えたパイオニア。そこにあったのは確執などではなく、日本男子シングルのバトンが静かに、そして確実につながれた瞬間だった。