神戸弘陵高校時代から強肩強打の捕手として頭角を現し、ドラフト6位で阪神タイガースに入団した塩谷。当時のチームは低迷期にあったが、その中で彼の存在感は異彩を放っていた。特に印象的なのは、代打での勝負強さと、内野手への転向後に見せた豪快なスイングだ。虎の主砲候補として大きな期待を背負い、スタンドを湧かせた瞬間は数知れない。
「塩谷の魅力は、どんなピンチでも臆することのない度胸だった」と、当時のコーチ陣は回想する。相手エースの渾身の直球を強烈なライナーでスタンドへ叩き込む姿は、猛虎ファンの胸に深く刻み込まれた。打撃センスの高さは若手時代から誰もが認めるところであり、阪神の次代を担う中軸としてその将来を嘱望されていたのである。