琴奨菊の現役生活は、度重なる大怪我との闘いでもあった。膝や左大胸筋の断裂など、アスリート生命を脅かすアクシデントに見舞われながらも、彼はそのたびに不死鳥のように蘇ってきた。その復活劇を支えたのが、スポーツ科学に基づいたトレーニング理論と、徹底したメンタルケアである。
指導者となった今、その貴重な経験が弟子たちの育成に惜しみなく注ぎ込まれている。最新の運動生理学に基づいたストレッチや筋力トレーニング、栄養管理はもちろんのこと、敗戦やスランプに直面した弟子のメンタル面を細やかにサポート。根性論だけに頼らない合理的なアプローチは、怪我の予防と選手の長寿命化にも貢献している。