過度な自粛や言葉狩りがコメディの鋭さを鈍らせるという懸念の声も、バラエティの制作現場からは根強く聞こえてくる。毒や風刺、不道徳さを売りにしてきた日本のお笑い文化において、「誰かを傷つけない笑い」をどこまで追求できるのかという問いは、制作者たちを悩ませ続けている。
だが、差別的な偏見を煽ることと、風刺やナンセンスな笑いを展開することは明確に異なる。世界的な多様性の潮流の中で、日本のエンターテインメント業界は、他者の尊厳を守りつつ豊かなユーモアを生み出すという、高度な表現力が問われる時代へと本格的に踏み出している。