実は数年前、店は存続の危機に瀕していた。創業者夫妻の高齢化と体力の限界から、一時は閉店も噂されたのだ。そのピンチを救ったのが、IT企業での勤務経験を持つ20代後半の3代目であった。伝統の味を守りつつ、時代の変化に合わせた改革を打ち出すことで、店に新しい風を吹き込んだ。
「祖父母が築き上げてきた歴史と味を自分の代で絶やすわけにはいかない」と語る3代目は、調理技術の継承に専念する一方で、店舗運営の非効率な部分を一つひとつ見直していった。伝統をリスペクトしながらも、停滞を拒む若い世代の情熱が、奇跡的な復活劇を生み出したのである。