中国にはもともと、江南地方や台湾などを発祥とする「飯糰(ファントン)」と呼ばれる伝統的なおにぎり文化が存在します。しかし、現在流行している日本式おにぎりとは明確な違いがあります。
伝統的な飯糰は、主にもち米を使用し、中に油条(揚げパン)、肉鬆(豚肉の甘辛いふりかけ)、漬物(搾菜など)、煮卵などをぎっしりと詰め込み、円筒状や俵型に固く握ったものです。基本的には熱々の状態で提供され、1つで満腹になるほどの重量感とオイリーな味わいが特徴となっています。
これに対し、日本式のおにぎりは「うるち米」を使用し、冷めてもふっくらとした食感を保ちます。油分が控えめで胃もたれせず、パリッとした乾燥海苔の風味をダイレクトに楽しむ構造です。中国の消費者は、伝統的な飯糰を「休日の朝にしっかり食べる屋台飯」、日本式おにぎりを「忙しい平日の朝や残業時のスマートな栄養補給」として明確に使い分けるようになり、新たな食習慣として定着しました。